4月15日(火)、私は韓国人留学生のキムミガンさんと共にいわき市勿来町にある勿来関文学歴史館に行ってきました。私は、茨城県出身なので、茨城との県境にこういった場所があるのも分かりませんでしたが、勿来の関とその歴史館に興味が湧き、今回初めて訪れました。
この歴史館は、勿来の関の歌碑の奥にあります。勿来の関の坂道を登っていくと、歌碑には、沢山の勿来に関する和歌が詠まれていました。平安時代の武将源義家の「吹風をなこその関とおもへども道も背に散る山櫻かな」(花を散らして吹く風は勿来関には来てないはずなのに、道いっぱいに散っている山桜だなあ)の和歌がありました。暖かい春の風と沢山の山桜がひらひらと舞っていてまさに、この季節だったのかなと思う瞬間でした。松尾芭蕉や小野小町などの歌人も和歌を詠んだ有名な歌枕もあり、沢山の歌人が勿来の関をこよなく愛していたことが伝わってきました。
勿来関文学歴史館は、昔の勿来の関の跡に建てられた和歌を中心とした文学と歴史の資料館です。勿来は関東と東北を分ける関として、古来より「来る勿れ(くるなかれ)」と言った枕詞で和歌に歌われてきたそうです。
そして、1階には、「不思議タウンなこそ展示室」という不思議な世界の作りになっていて江戸時代の江戸の雰囲気・町並みを再現していました。歴史体験ゾーンもありお子様連れのご家族にも楽しみながら歴史を学ぶことができると思います。おみくじや沢山の仕掛けがあり、江戸時代にタイムスリップしたかのようでした。
2階には、「歌枕なこそ展示室」という平安時代からよみつがれてきた勿来関が春・恋・道・志の4つのテーマで現代によみがえる歌の世界を表現しています。源義家や小野小町と言った有名な歌人の勿来に関する和歌を映像を交えながら紹介していたので、分かりやすく歴史を学ぶことができました。
また、歴史館入り口の前からは、いわき市の勿来海岸が見え、良い眺めを堪能できます。吹風殿には、勿来の関が歌枕に詠まれた歌人の住まいと庭園があり、日本古来の文化を感じられると思います。そこには、様々な種類の桜が咲き乱れていました。春の温かい風が吹いていて、とても美しかったです。勿来の関公園一帯は、広々としていて、ハイキングやお花見をする人たちでとてもにぎやかでした。皆さんもいわき市を訪れる際は、是非、勿来関文学歴史館に足を運んでみてください。